ついに年が明けて2017年がやってきました。

去年はアメリカではトランプ氏が次期大統領に選ばれたり、イギリスがEUから離脱することが決まったり、韓国の朴大統領が弾劾されることが決まるなど、国際情勢が大きく揺れ動いた年でもありますが、この流れは今年も続くのでしょうか?

2017年の世界情勢を占ってみます。




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激動の年だった2016年の余波はどう響く?

思い返せば2016年は本当に激動の年だったと思います。

6月のイギリスの国民投票では、EU残留派が有利と言われていたのに、まさかの離脱派が過半数の票を獲得するという結果になりました。

 
その離脱決定の余波が影響したのか、アメリカ大統領選挙でも、前評判を覆し共和党のトランプ候補が当選する結果になりました。

 
この2つの選挙の結果を受けて、今世界全体が保護主義・右傾化に向かいつつあると言われています。

事実EUではイスラム系の地域からの難民受け入れ問題で、それまで寛容的だったドイツでもテロが発生し、メルケル首相に対しての支持率は急落しています。

 
また同じく国内経済の停滞と難民受け入れに不満を抱いていたオーストリアでも、極右政党出身のホーファー党首が台頭し、一時は初の極右政党出身の国家元首がEUで誕生するのではないかと言われるほど支持を拡大しました。

 
このように今やEU域内全土で反EUへの動きが加速し、難民受け入れの制限化、さらには保護主義へと世論が傾き始めているのです。




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フランス大統領選挙の行方は?

 
この流れの中、今年の4月にはフランスの大統領選挙が控えています。この大統領選挙では、現職のオランド大統領が早くも出馬を取りやめる意思を表明しています。

 
出馬を取りやめた理由は、支持率が発足以来最低の8%にまで下がっていることにあります。

オランド大統領はこれまで高かったフランスの失業率を下げる政策に尽力していましたが、政策の効果があまり表れず経済は上向きにはなっていません。

また在任中にはフランス国内でイスラム過激主義者によるテロが相次いで発生したことも、政治の不満の後押しになっていました。

 
そうした中、極右政党として知られる国民戦線の支持率が急速に上がってきています。

リーマンショック以降失業率は下がらず、一向に改善の結果が見られないオランド大統領の政策に怒りを覚えた労働者階級や失業者達の受け皿として、近年支持を拡大しています。

20015年12月のフランスの州議会議員選挙で、反移民をスローガンに掲げ、フランス全土で28%の得票率になり、全13の選挙区のうち6つで首位になるなど大躍進を果たしました。
 
この大躍進もあって、今年の大統領選挙では国民戦線の党首であるマリーヌ・ルペン氏が、フランスで初の女性大統領に選ばれるのではないかと言われています。

 
対してフランス最大野党の共和党は、中道・右派の統一候補として、フランソワ・フィヨン元首相を選出した。

 
フィヨン氏は去年の共和党の決選投票で67%の票を獲得し大勝しました。

実はこの人も国民戦線のルペン氏と同じくらいの右翼的な政治家と言われていて、当初はサルコジ元大統領やアラン・ジュペ元首相が最有力候補でしたが、ここまで支持を伸ばし大勝に至ったのは、やはりアメリカのトランプ氏の勝利や、イギリスのEU離脱派の勝利が後押ししている影響なのでしょう。

こうなるとリベラル系、および左派系の人達の適当な候補者が見当たらず、事実上今年のフランスの大統領選挙は右派同士の対決という構図になると見られます。

 
両者の違いは経済政策ぐらいで、フィヨン氏は経済的にはリベラル派で、ルペン氏は保護主義的な主張をしています。

EUのような開けた自由貿易では国内経済が潤わないとこれまでルペン氏は盛んに主張していました。

もしも国民戦線のルペン氏が勝利することになれば、イギリス同様フランスもEU離脱というシナリオに向かうことになるのでしょうか?

 
アメリカではトランプ氏が大統領に就任し、EUでも右派勢力が支持を伸ばしているので、今年の国際情勢は去年以上に緊張が高まりそうです。

 
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