かの田中総理が日本列島改造論を唱えて早半世紀以上経ちました。
それ以降長い年月をかけて、2016年に北海道新幹線が開業してから、鹿児島から北海道まで新幹線で結ばれました。
日本はまさに新幹線大国とも言っていいでしょう。
そして新幹線はいろいろな名称の列車がありますよね。
一番有名なのが、東京-博多間を最速で結ぶ「のぞみ」、次に速い「ひかり」、各駅に停まる「こだま」の3つですね。
この3車両は東海道新幹線と山陽新幹線の主要駅に停車するので、多くの日本人にとっては馴染み深い新幹線と言えます。
だけどこれら3つ以外にもいろいろあって、「みずほ」・「さくら」・「つばめ」なんていう愛称の新幹線もあるんですよ。
この前広島駅で「みずほ」に乗ったけど、「さくら」から乗り換えた人が多かったね。
横浜駅によく行くけど、「さくら」とか「つばめ」って見たことないな。
このように地域によって、知名度は様々ですね。
それもそのはずで、みずほとさくらとつばめは何と西日本だけを走る新幹線なのです!
一体3つの新幹線は何がどう違うのか?停車駅、所要時間、料金、座席、車両など徹底的に比較したのでぜひご覧ください。
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みずほとさくらとつばめの違いを一言で!
では結論からになりますが、新幹線みずほとさくらとつばめの3つの違いを、一言でまとめますと以下のようになります。
- みずほは、新大阪-鹿児島中央間を運転する最速達列車
- さくらは、新大阪-鹿児島中央間を運転する列車
- つばめは、博多-鹿児島中央間を各駅停車する列車
ここで重要となるのが、3列車は全て新大阪から西の区間でしか走りません。
みずほとさくらは九州新幹線と山陽新幹線の2区間、つばめは九州新幹線だけです。東海道新幹線では上の3車両はいずれも運転していません。
東京在住の友人に「さくらに乗る」と言って、「何それ?」って顔されたのはこのせいだったのか。
ということで大まかな違いとしてはこうなるのですが、やはりそれ以上に気になるのは停車駅や料金、車両などですよね。
西日本に住んでいる人は今後新幹線に乗る際にも、この3列車の違いを詳しく把握すればスムーズに旅することができます。
3列車の停車駅を紹介!
では新幹線みずほとさくらとつばめの3列車の停車駅を、表でまとめてみたのでご覧ください。
停車駅 | 一部のみ停車 | |
---|---|---|
みずほ | 新大阪-新神戸-岡山-広島-小倉-博多-熊本-鹿児島中央 | 姫路 久留米 川内 |
さくら | 新大阪-新神戸-岡山-広島-小倉-博多-新鳥栖-久留米-熊本-川内-鹿児島中央 | 姫路 福山 徳山-新山口-新下関 筑後船小屋-新大牟田-新玉名 新八代-新水俣-出水 |
つばめ | 博多-新鳥栖-久留米-筑後船小屋-新大牟田-新玉名-熊本-新八代-新水俣-出水-川内-鹿児島中央 | なし |
ご覧のようになります。
基本的に山陽区間のみずほはのぞみと同じ、さくらはひかりと同じ駅にそれぞれ停まると考えればいいでしょう。
つばめは、九州新幹線版の「こだま」(山陽区間と東海道区間で各駅停車する列車)と考えればOKです。
仮に博多発のつばめの新幹線があっても、終点が「熊本」だったら、そのつばめは熊本までにしか行きません。
つまり各駅停車だからと言って、全ての駅に停まるわけではなく、あくまで「始点と終点の間にある駅の全てに停まる」という意味になるということです。
ではそれぞれの停車駅についてより詳しく見ていきますね。
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みずほの停車駅を詳しく!
みずほは山陽区間と九州区間において、主要駅にしか停まりません。
つまり「のぞみ」とほぼ同じ列車だと思えばいいです、言い換えるなら「九州ののぞみ」です。
ただのぞみとの最大の違いは、のぞみの一部列車は西明石駅と福山駅、徳山駅、新山口駅に停車するのに対し、みずほはいずれも停車しないことです。
山陽区間だけで言えば実はのぞみよりもみずほの方が速いのです!
てことは博多駅で新大阪まで最速で行きたいなら、のぞみではなくみずほを選ぶべきなんだね。
一方で「博多-鹿児島中央」の九州区間ではのぞみが運転しません。
みずほは九州版のぞみということなので、この区間では一部列車は久留米駅(福岡)と川内駅(鹿児島)の2駅に停車します。
といっても1日に1,2本程度ですが。
さくらの停車駅を詳しく!
さくらは山陽区間と九州区間を走る準速達列車になります。
停車駅も山陽区間だけで言えばひかりとほぼ同じです、「九州のひかり」と思えばいいでしょう。
山陽区間ではのぞみとみずほが停車する駅にはさくらも停車します、また九州区間ではみずほが停車する駅には全てさくらも停車します。
逆にさくらしか停車しない駅としては、「福山・徳山・新山口・新下関・新鳥栖・筑後船小屋・新大牟田・新玉名・新八代・新水俣・出水」の計11駅です。
包含関係を図でまとめますと以下のようになります。
- 「新大阪-鹿児島中央」間を直通運転するタイプ:1日に約18本(上り)
- 九州新幹線の範囲のみを運転するタイプ:1日に約7本(上り)
本数は鹿児島中央駅の時刻表を参照しています。
ただここでも注意すべきは、唯一「西明石駅だけはさくらも停車しない!」という点です。
兵庫県にある西明石駅は現在、のぞみは東京行きの始発が早朝に、下りが夜遅くに1本停車するだけです。
みずほもさくらも九州方面への需要を重視することが最大の狙いですから、さすがにスルーされるのも無理はないですね。
つばめの停車駅を詳しく!
つばめは上で紹介した2列車とは違って、現在九州新幹線のみ運行しています。
停車する駅は「博多-鹿児島中央」間にある12駅です。(小倉駅は福岡にありますが、山陽新幹線の区間です。)
みずほ、さくらに次いで、つばめというのは「九州のこだま」的な存在です。
みずほ、さくらが停車する駅には全てつばめも停車します。
ただしさくらに関しては一部列車も含めると、つばめが停車する駅にも全て停車します、
九州区間でさくらの一部列車が停車する駅としては、「筑後船小屋・新大牟田・新玉名・新八代・新水俣・出水」の計6駅があり、つばめはこれら6つの駅に全て停まります。
だけどこれらの駅につばめが停車するのは1日で20~25本ほどありますが、朝方と夕方は1時間に2本ほど停まり、午後の時間帯だと1時間に約1本と減ります。
待ってもなかなか来てくれないので、もしかしたら在来線の特急列車に乗った方が速いかもしれないですね(;-_-
博多発のつばめは鹿児島中央まで行かない?
もう一つ注意すべきは、特に博多駅からつばめに乗車する際には、熊本駅行きのつばめしかほぼないということです。
博多発で鹿児島中央まで行くつばめ号は、実は早朝6時頃に1本あるだけで、ほぼないと言っても過言ではないですね。
仮に博多駅でつばめに乗っても、途中でみずほかさくらに乗り換えないといけません。
「九州新幹線12駅全てをつばめで制覇する」、ということは早朝6時頃に博多駅に行かないとダメと言うことです。
全てのつばめ号が博多と鹿児島中央間にある全駅に停まるわけではないので、あくまで指定された区間にある駅全てということを念頭に入れておきましょう!
でも博多発で小倉に停まるつばめ号が、朝の8時頃に一本だけ運行しているよ!
東海道新幹線と山陽新幹線開業に伴って一旦廃止されましたが、九州新幹線が開業した2004年にその名称を引き継いで、再度誕生したのが現在の「つばめ」です。
所要時間の違い
では続いて3つの列車のそれぞれの所要時間を比較してみましょう。
- みずほ
- 博多-新大阪間:約2時間20~30分
- 博多-鹿児島中央間:約1時間20分
- さくら
- 博多-新大阪間:約2時間40~50分
- 博多-鹿児島中央間:約1時間30分
- つばめ
- 博多-熊本間:約50分
- 博多-鹿児島中央間:約1時間50分
※3列車とも一部しか停車しない駅は除くとします。
こうしてみると、やはり主要駅にしか停車しないみずほが圧倒的に速いですね。
鹿児島から大阪まで行くのに4時間もかかりません。
ただ飛行機だとこの区間は1時間弱で行けます。
現在だと格安航空の存在もあって、実は飛行機の方が料金的にも時間的にもかなり余裕があるんじゃないでしょうか。
のぞみとみずほは新幹線で最も速い部類なので当然ですが、さくらについてはやはり停車駅が若干増えるので10分程時間が伸びます。
といってもたかが10分ですけど。
またつばめに関しては、九州区間のみの運行ですが、実は意外にもさくらと20分程、みずほと30分程しか違わないんです。
ですのでよほど急いでない限り、博多と鹿児島中央間を行くのにみずほに乗る必要性はないかなと思います。
しかし意外なことに、どの列車を選んでも、料金が変わらないという事実もあるんです。
料金の違い
みずほとさくらとつばめの利用料金の違いですが、これについては山陽区間と九州区間の2区間で若干変わってきます。
「博多-鹿児島中央」間の料金の違い
「博多-鹿児島中央」間では、3列車全てで自由席と指定席の料金は同じで変わりません!
もちろん指定席だと若干高くなりますが、みずほとさくらとつばめは全て
- 自由席:10,110円
- 指定席:10,640円
- グリーン車:13,260円(つばめはほぼない)
で統一されています。
この感覚は特に東海道新幹線に乗り慣れている人からしたら、驚くことでしょう。
「東京-新大阪」間だと、のぞみとひかりとこだまは自由席は全て同じ料金ですが、
- 指定席ではのぞみだけが300円ほど高い
ことになっています。
『のぞみの指定席』だけ割高なのは、それだけ利用する人の数も多く、かつ時間が速いからこその優遇措置なんだ。
「新大阪-博多」間の料金の違い
「博多-鹿児島中央」間は山陽新幹線なので、つばめは走りません。
先ほど説明したように、この区間においてみずほはのぞみと同様最も速い列車と同じ位置づけです。
そのため料金体系は、みずほとさくらで若干異なり
- 自由席では、みずほとさくらは同じ14,750円
- 指定席では、みずほが15,600円、さくらが15,280円
- グリーン車は、みずほが21,670円、さくらが21,350円
です。
指定席とグリーン車で、みずほの方がさくらより320円高いことがわかります。
みずほの料金体系はのぞみと同じなので、どちらを乗るかはお好みで(^▽^)/
座席と車両の違い
最後に紹介するのは、車両と座席の違いです。
みずほとさくらとつばめは、使用されている車両が大きく違っていて
- みずほはN700系(8両編成)
- さくらは主にN700系(8両編成)、一部列車でN800系
- つばめは主にN800系(6両のみ)、一部列車でN700系
となっています。(のぞみはN700系だけど、16両編成です。)
みずほとさくらものぞみと同じN700系ですが、最大の違いは8両編成であることです。
1~3号車が自由席、4~8号車が指定席、6号車の一部だけがグリーン席という構成になっています。
つばめだけはN800系を使用していますが、コチラは6両編成となっています。
基本的にほぼ全てのつばめで1~3号車が自由席、4~6号車が指定席です。グリーン車がないのが残念ですね。
またみずほとさくらとつばめの3列車に共通しているのが、シートの並び方です。
車内に入ると真ん中に通路があって、左右に2シートずつ分けられているのが最大の特徴です。
のぞみによく乗る人からしたら、「2列+2列」の構成はグリーン車専用の座席なので驚くでしょう。
九州新幹線だと自由席と指定席も、のぞみのグリーン車と同じ感じで座れます。
逆に言えば九州新幹線内は無理してグリーン車に座る必要もありません。座席数も少ないですし。
まとめ
以上、新幹線のみずほとさくらとつばめの違いについて、徹底特集してきました。ということで今回の復習です。
- みずほとさくらは山陽区間と九州区間を走る新幹線、つばめは九州区間だけを走る新幹線
- みずほとさくらとつばめの全列車が停まるのは、博多と熊本と鹿児島中央の3駅
- つばめは各駅停車だが、博多発のつばめは熊本終点が多い
- 九州区間では、みずほとさくらとつばめの自由席と指定席の料金は同じ
- 山陽区間では、指定席だけ見るとみずほの料金がさくらより高い
- 所要時間の長さは、「博多-鹿児島中央」間でみずほ<さくら<つばめ
- みずほとさくらは8両編成、つばめは6両編成、グリーン席はみずほとさくらのみある
九州新幹線は他の新幹線と比べて駅の数が少なく、利用する人も少ないためか、東海道新幹線ののぞみやひかりと違っている箇所が多いです。
料金と時間で考えるとつばめに乗るメリットはほぼないので、博多から鹿児島まで行くならみずほかさくらですね。
だけど東海道新幹線のこだまと同様で、やはり各駅停車ならではの楽しみとゆったり感はつばめでも味わえます。
もし九州を新幹線で縦断してみたいと思っていらっしゃるなら、それこそつばめに乗った方がいいですね!
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