寒い季節に合うスポーツと言えば、スキーやスケートといったウィンタースポーツですね。
部屋にこもりがちな季節なのでこういったウィンタースポーツで運動不足を解消する人がどんどん増えればいいかなとは思っています、ただ筆者はどっちもあまりやらない派ですけど(;^^)
しかしスキーやスケートで遊ぶ時になぜあそこまで滑らかに動くことができるのか?
考えたことはありますか。
今回はその疑問を解決するために、摩擦熱と復水と言った物理学的な観点を取り入れて解説していきます。
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滑りやすくなる理由その1:復水
スキーの板では雪の上を、またスケートの刃の先端では氷の上を滑りながら移動しますが、マイナス20~10℃という極寒の中であれば
凍り付いて動きにくくなるのでは?
と思うかもしれません。
しかしスキーやスケートで移動するということは、人間の体重分の圧力が雪や氷にかかっているとも考えられます。
実は氷は高い圧力を加えると気温が氷点下でも水に戻るという性質があるのです。
これを復水と言います。
中学や高校の理科の授業で習ったと思いますが、これは水の状態図で説明できます。
一般に水が固体(氷)になるのは摂氏零度以下と言いますが、実は圧力によってその温度は変化します。
水が氷になる温度を融点と言いますが、この温度は圧力が高くなるほど下がってきます。
故にマイナス20~10℃の寒さでも、雪や氷は人間の体重の圧力が加わって水になるので滑りやすくなるというわけです。
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滑りやすくなる理由その2:摩擦熱
一つ目の理由で氷は圧力を加えれば水になると言いましたが、それでも結局寒すぎるのですぐに凍るじゃないか、と思われるかもしれません。
実際復水という原理だけだと、すぐに凍ってしまって動けなくなることもあります。ところがもう一つの要因で氷はさらに解けやすくなるのです。
それが摩擦熱の要因です。
摩擦熱とは、ご存知物と物をこすった時に生じる熱のことですが、スキー板やスケートの刃の先端は地面の雪や氷とこすれ合っています。
そのこすれ合っている部分で熱が生じてその熱で氷が解けて水が生じるのです。
つまりスキーやスケートで滑りやすくなるのは、復水と摩擦熱という二つの要因が重なるためと言えます。
極寒の地・南極ではどうなる?
地球で一番寒い土地南極なら一年中雪も積もっていて高い山もあるし、棚氷もあってウィンタースポーツには最適です。
もっとも寒すぎるので人が定住するにはアレですが、それでもウィンタースポーツ好きなら一度は南極でスキーやスケートをやってみたいと思うでしょう。
ところがその南極はウィンタースポーツにはあまり向いていないとも言われています。その理由は寒すぎることにあります。
南極の気温は寒い時だとマイナス50℃以下まで下がることはよくあり、夏場でも平均気温は氷点下以下だそうです。
先ほどスキーやスケートが滑りやすいのは復水と摩擦熱が要因だと言いましたが実は復水の原理で水になる温度はせいぜいマイナス30℃くらいだと言われていて、それ以下だとどれだけ圧力を加えても水にはならないそうです。
故に南極で一番寒い時にスキーやスケートをやっても摩擦が大きくなるだけで逆に滑りにくくなります。
故に南極でウィンタースポーツをやる場合は夏場しか適さないということになります。
もっとも真冬の南極は一瞬で凍り付くくらい寒いのでスポーツどころではありませんがね。
以上スキーやスケートで滑りやすくなる理由の解説でした。参考になりましたら幸いです、よければ以下の記事もどうぞ!
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何十年も前ですが、スケートが滑るのは物理的に説明が付くが、スキーはよくわかっていないとの記事を本で読みました。スキーに腹水と摩擦熱で説明しようとしても無理があるようです。小生4年間北海道で過ごしスキーに夢中になりその経験から、わずかな斜面でも靴からはずれた無人のスキー板をスキーをはいて追っかけても追いつきません。加重による腹水の効果はスキーの板では無理です。他に物理的に滑る理屈がスキー板には必要と思いますがいかがですか? 追伸:非常にゆるい傾斜の場合、スキー板のみではその重みでは滑っていかないが、人が乗ると滑りやすくは鳴ります。