毎年11月の下旬になるとアメリカではあるイベントのために大忙しになるそうです。

といってもクリスマスではありません、11月の第4木曜日にある感謝祭で盛り上がるみたいです。

アメリカの感謝祭は別名サンクスギビングデイなんていう呼び方もされていますが、このイベントに関してはどうも日本人の我々からするとピンと来ないかもしれないです。

感謝祭という名前がついていますが、日本の勤労感謝祭とは全く違うようです。

アメリカの感謝祭は大型連休になることもあって家族揃って七面鳥を食べるというのが伝統行事になっているようです。

七面鳥と言うとクリスマスに食べる鳥と言うイメージが強いですが、なぜ感謝祭で食べるようになっているのか?

その由来について解説するとともに大統領による七面鳥の恩赦についても紹介していきます。

これからアメリカに旅行する予定の方はぜひ参考にしてみてください!




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アメリカの感謝祭とは?日程は?

アメリカの感謝祭とは11月の第4木曜日にある祝日のことです。

カナダにもありますが、これは10月の第2月曜日になっています。

また収穫祭といって、この日は「七面鳥の日」(英語で“Turkey Day”)とも呼ばれています。

七面鳥の日と呼ばれるほど昔から感謝祭では七面鳥を食べる行事が恒例化しています、大家族の食卓には詰め物をした七面鳥の丸焼きが並ぶそうです。

七面鳥を食べるようになった由来とは?

この感謝祭の由来は、まだアメリカ大陸に国家が存在しなかった17世紀の初頭まで遡ります。

イギリスからピルグリム・ファーザーズという清教徒の団体がアメリカに上陸し、最初に接触した先住民族のインディアンに対して狩猟やトウモロコシの栽培などを教えてもらった恩返しとして祝宴を開いたのが、感謝祭のもとになったと言われています。

またこの時の祝宴でインディアンによって七面鳥が用意されたのがきっかけで、現在でも七面鳥は感謝祭の食事として定着するようになりました。

七面鳥の生息分布図を見てみると、アメリカ合衆国東部とカナダ南部、メキシコに分布されており、大昔から中央アメリカの先住民族によって家畜化されていました。

これ以外にもイギリスのエリザベス一世が祝祭の時に鴨を食べていた習慣があり、イギリス人がその伝統を広めるためアメリカに生息していた七面鳥で代用した、という説もあるようです。

ただインディアン説が最も有力っぽいですけどね。


勤労感謝の日との関係とは?

日本も11月23日に『勤労感謝の日』という似たような祝日がありますが、果たして何か関係があるのか気になる所ですね。

収穫を祝うという点では実は共通しています。


実際この日は新嘗祭と言う宮中祭祀が執り行われ五穀豊穣を祝うというのが本来の意義になっており、戦前でも祝日になっていました。

しかし日本が戦争に負けてGHQに占領されると、国家神道に強く結びついているという理由で新嘗祭を廃止しようという意見が出て、代わりに制定されたのが『勤労感謝の日』になりました。

五穀豊穣を祝うという点では共通している上に時期的にも感謝祭とほぼ一致しているので丁度良いという感じで、制定された形です。

もちろん米国の感謝祭のルーツは全くなくほぼ政治的事情です、あくまでも新嘗祭がルーツだということはお忘れなく!




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大統領による七面鳥の恩赦とは?

President Bush in National Thanksgiving Turkey Ceremony (2007).jpg
By Chris Greenberg – White House, パブリック・ドメイン, Link

感謝祭の時に行われるホワイトハウスの恒例行事となっているのが「七面鳥の恩赦」と呼ばれるものです。

英語では “Turkey Pardon”といいますが、この行事の由来はケネディ元大統領の時代に遡ります

感謝祭当日にケネディ大統領宛てに「おいしく食べてね、大統領」と書かれたメッセージを首からぶら下げた七面鳥がホワイトハウスに贈られたものの、ケネディ大統領が食べなかったことがこの恩赦の始まりとされています。


この七面鳥が食べられる運命から救われたということを祝ってこれ以降大統領による恩赦が恒例化されています。

しかし贈り主の立場を考えると本来であれば食べるのが礼儀にかなっていると言えますよね、ここがアメリカ人のジョークの感覚なのでしょうか?

七面鳥はあまり美味しくない?

感謝祭の日に食べられるメインディッシュとしてはもはや七面鳥は欠かせませんが、正直あまり美味しくないという評判が多いです。

その理由は七面鳥の肉は鶏の肉に比べて脂分が少なくさっぱりしていることにあります。

ただ美味しさに関してはやはり各家庭ごとにいろいろな調理方法があります、料理の腕や調味料で味が大きく変わる可能性が大きいので一般家庭だとそこまで期待できる味にはならないかもしれませんね。
 

感謝祭は長期連休になる?

アメリカの感謝祭は11月の第4木曜日にあたりますが、その次の金曜日は”Black Friday”となって4連休になったりします。

この時期には実家への帰省などで道路などが渋滞するそうです、日本で言うところの5月の大型連休に相当します。

といっても感謝祭のメインイベントとなるのはやはり食事会ですね。

アメリカ全土の農場では大量に七面鳥が出荷されることになります、そして家族、親戚中が全員揃って感謝祭を楽しむわけです。

この家族揃って感謝祭を祝うようになった習慣はリンカーン大統領が広めたとされています。

リンカーン大統領が在位していた当時のアメリカは南北戦争の真っただ中で、親と子が南北に分かれて戦うほど悲惨な状況にありました。

そんなアメリカをなんとか救うべく、改めて国家の団結を取り戻すために感謝祭を連休休日に定めて、家族の集いを奨励したのです。

この試みは成功したようで、感謝祭が単なる休みの日ではなく遠く離れた家族や親戚が久しぶりに再会し親睦を深める有意義な日となりました。

さらにこの感謝祭が終われば1か月後にはすぐにもクリスマスなので、実質1カ月で2回もビッグイベントが控えていることになります。

11月は感謝祭、12月はクリスマスと、アメリカ中の小売業の年間売り上げの約半分がこの一カ月に集中するといわれ、小売業にとっては一年で一番大事な一か月間なのです。

日本では年の瀬になるとクリスマスくらいしか盛り上がるイベントがないだけに、少しだけアメリカが羨ましく感じるかもしれません。

まとめ

今回はアメリカの感謝祭で七面鳥を食べる由来と過ごし方について紹介してきました、参考になりましたら幸いです。

ほぼ同じ時期に日本にある勤労感謝の日も五穀豊穣を願うという意味ではアメリカの感謝祭とも共通しています。

ただしだからといってアメリカの感謝祭の習慣をそのまま逆輸入してほしくはないですね、日本は日本独自の形式で感謝祭を過ごしましょう!




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