LCC(格安航空会社)を利用する人がここ最近では増えてきました。年末年始やお盆休みと言った長期休暇でLCCを利用して海外旅行を満喫している人も多いのではないでしょうか?
自分も海外旅行をこれから考えてはいるのですが、やはり予算的に厳しい事情があるので、低予算のLCCは非常に魅力的です。
ただこのLCCですが、そもそもなぜ安い値段が実現できているのでしょうか?
例えばANAで日本の成田からタイのバンコクに行く際には、片道でも3~5万円はかかります。
それがLCCだと片道約1~2万円で行けるのです!
この値段は日本で例えると新幹線で博多~名古屋間の往復する料金とほぼ同じです。
いつの間にか飛行機で海外に行ける料金が新幹線とほぼ同じかそれ以上に安くなって来たんですね、凄い時代です♪
LCCの人気の高さは何といっても安さにありますが、改めてその秘密について詳しく解説していきます!
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LCCはなぜ安いのか?
LCCの正式名称は、Low-Cost Carrier(ローコストキャリア)、日本語で格安航空会社となります。
その名の通り格安の運賃を謳った航空会社で、2012年に流行語大賞に選ばれて現在でも年々利用者が増えています。
- ピーチ・アビエーション
- バニラ・エア
- エアアジア
- 香港エクスプレス航空
- ジェットスター・アジア航空
- スクート
- チェジュ航空
- 春秋航空
LCCの歴史を辿れば意外に古く、1970年代には既に運航されていました。
当時はアメリカ-ヨーロッパ間、すなわち大西洋横断路線向けの便が主流で、主に大学生などの若者のバックパッカーを中心とした個人客から熱烈な支持を受けてシェアを拡大していきました。
日本ではかなり遅れて参入してきましたが、東南アジアなどで多くのLCCが誕生したこともアリ2010年代以降に入ってようやく国内初のLCCが誕生しました。
現在ではLCCは既存のレガシーキャリア(ANAやJALといった大手航空会社のこと)に肩を並べるほどの収益を上げています。
その人気の最大の理由は安さにありますが、LCCがどうやって安さを実現させているのか?その工夫点は主に以下の10個に絞られます。
- 機内サービス・設備の簡素化
- 座席間隔を狭くして座席数を増やした
- 駐機時間の短縮
- 手荷物の重量制限が厳しい
- 使用機種の統一
- ネット予約を中心にして人件費を削減
- 採算の取れる路線のみが対象
- メジャーな空港は避ける
- キャンセル料が高額
- 広告代やオリジナルグッズの販売
会社ごとによって企業理念や経営手法は若干違えどほぼ全てのLCCで上記の手法で低コストを実現しています、それぞれ詳しく見ていきますね!
機内サービス・設備の簡素化
大手航空会社では無料で利用できる機内サービスを有料にしている点が大きいです。
- 機内食や飲料
- 毛布や枕
- 雑誌や新聞
といったサービスは欠かせない人もいるかもしれませんが、LCCではほぼ全て有料、もしくは省かれています。
しかも飛行機外で購入した飲食物の持ち込み(ターミナル内の売店で購入した商品)も禁止されていることが多いので、実質飲食代はほぼ間違いなくかかると言っても過言ではありません。
海外旅行は長時間での移動になるため、こういった機内サービスの有料化はかなり不便になります。
機内サービスを利用しすぎて実質レガシーキャリアとほぼ値段的に変わらなくなる場合もあったりするので、特に長時間のフライトには注意が必要ですね。
他にも座席モニターなどの機内設備をカットしたり、飛行機に搭乗する際にはボーディング・ブリッジを使わずタラップに限定することでコスト削減をしています。
座席間隔を狭くして座席数を増やした
機内設備の簡素化にも共通している話ですが、とにかくLCCの最大の特徴ともいえるのが座席間隔が狭いことです。
前後のシートピッチを詰めることで座席数を増やし、一度のフライトでより多くの乗客を運べるというメリットがありますが、乗客視点に立つとやや複雑です。
大手航空会社でもエコノミークラスは座席間隔が狭くて窮屈に感じる場合もありますが、LCCだとゆったりとリラックスできる姿勢はほぼ取り辛いです(;-_-)
座席を後ろに倒しすぎて寝ようと思ったら間違いなく後ろの客から睨まれちゃいます。
やはり海外旅行と言った長期のフライトで窮屈な座席で長時間座りたくない人にはオススメできないですね。当然ビジネスクラスもありません。
駐機時間の短縮
これは空港での滞在時間を短くすることで運用効率を高めるというのが狙いです。
通常の航空機ではある空港まで乗客を運ぶと、復路ではその乗客を乗せて帰ってきますが、逆に言えばその分乗客を運べないことになって空港に長時間留まってしまいます。(空港に1泊する形になる)
LCCではその間の時間がもったいないということで、ある空港に到着した直後に復路の離陸をするという形式をとっています。こうすることでレガシーキャリアよりも高い運用効率を実現しているのです。
ただその分欠航や遅延などの頻度がレガシーキャリアよりも多くなるというデメリットもあります。
例えば早朝便が遅れるとそれ以降の便が次々とドミノのような形で遅れるのです、電車のダイヤとほぼ同じ形です。
手荷物の重量制限が厳しい
実は飛行機の運営コストの25%が燃料費だとされています。
そしてその燃料費において影響を及ぼしやすいのが重量です。
当然重量が大きければ大きいほど移動に必要な燃料が多くなるので、燃料代は膨らみます。
そこでLCCではレガシーキャリアに比べて持ち込める手荷物の量をかなり制限しているのです。
こうすることで重量を下げ燃料費節約につなげていますが、それだと海外旅行で多く荷物を運ぶ乗客には不利になるので、規定以上の手荷物については課金するような仕組みになっています。
これもLCCで料金がかかる落とし穴です、うっかり大荷物でLCCを利用しようとしたらレガシーキャリアよりも値段が高くなるということもあります。
使用機種の統一
実は飛行機の整備は機種ごとに異なっていて、多数の機種を扱うレガシーキャリアではメンテナンスを行う整備士の数も機種ごとに分けており、パイロットの教育にかける費用も増えます。
その点LCCでは使用する航空機の機種をほぼ1種類に統一させることで、パイロットの教育費や整備士を増やさないで済むわけです。
また整備に関しても自社でやらずに他社に委託させる場合が多いです。この際にも航空法で定められた最小限の整備のみを契約にして可能な限り整備代を安くしているのです。
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ネット予約を中心にして人件費を削減
レガシーキャリアと違って各空港や都市に置く支店や窓口の数を極力少なくしてネット予約をメインにさせることで、事務所費用のカット、及びそこに配置させる人員の数も削減できます。
つまり人件費と事務所運営に伴う光熱費を両方削減できるので、ある意味理にかなっている手法ではあります。
もちろん通常のレガシーキャリアでもネット予約は行っていますが、LCCの場合は窓口が極端に少ないので当日空港に着いた時に対応できる社員がいないというのは少し不満ですね。
採算の取れる路線のみが対象
儲かる路線にしか航空機を飛ばさないという方針がどこのLCCでも共通しています。
例えばJRや市営バスなどは儲からず赤字が続く路線でも一定数以上の利用客がいれば簡単に廃止させることはできません。
民間企業とは言え公共交通機関という位置づけが強いですからね。
その点LCCはそのような縛りがなく、新規路線を開拓しても赤字が続いたら数カ月で廃止させることもあるようです。
どうせレガシーキャリアがその路線で飛行機を飛ばしているので困る客はそこまで多くいないだろうという算段ですね。
もちろんより安い値段で行けるなら喜ぶ客は少なからずいるでしょうが、そもそも利用する客自体が少ないと運航し続けても赤字になるので元も子もありません。
とにかく採算の取れる路線だけ飛ばすことがLCCの最も重視していることのです!
メジャーな空港は避ける
これはどういうことかと言いますと、羽田や成田と言った人気の空港は地方にある空港や中小空港(いわゆる第二空港)に比べてて空港着陸料が高く設定されているのです。
利便性を犠牲にしてでも着陸料が安い第二空港を多めに利用することでコスト削減に努めていますが、利用者視点に立てばわざわざ遠い空港まで足を運ばざるを得ないので不便ですね。
キャンセル料が高額
チケットがほぼ全てキャンセル時の払い戻しの要件が厳格化されています。
購入時期を問わず払い戻しができずキャンセル料は100%かかると言っても過言ではないので、その日程で間違いなくその場所に行くことが確定しない限りは利用は控えた方が無難です。
広告収入とオリジナルグッズの販売
コスト削減とは直接的に関係しませんが、機内に広告を貼ったり機体の外面をアドカラーで舗装するなどして広告収入を得る工夫もしています。
テレビ会社がCMを放送するのと同じ感じです。
また機内サービスはほぼ有料化されていますが、それでもオリジナルグッズや免税品などの販売も積極的に行うことで収益を上乗せする工夫もしています。正直オリジナルグッズを販売するよりも機内食を充実してほしいですけどねwww
まとめ
LCCが安い理由について主に10個挙げて解説しました、参考になりましたら幸いです!
今後もLCCの普及と拡大は続いていくでしょうが、安すぎるという点でやや敬遠する人も少なくないみたいです。
改めて言いますが安いからと言って安全性を犠牲にしているわけではないということだけは認識してください。
もちろん純粋に安くてお得かと言われればそうでもなく、機内サービスや手荷物の重量制限で不必要に費用がかかってしまい、結果的にレガシ―キャリアとあまり変わらない値段になるケースもあります。
特に注意するべき点はキャンセル料で、100%払い戻しはできないという認識は持っておいてください!
またレガシ―キャリアでも旅割や特定のツアーではお得なプランが豊富で、時と場合ではLCC並みの低予算になることもできます。その辺は旅行代理店などに行って熱心に相談した方がいいでしょう!
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