ここ最近メディアなどで右傾化と言う言葉を耳にする機会が増えました。
アメリカでは2016年の大統領選挙で勝利したトランプ氏が過激な論調で目立ちましたが、共和党出身でもあることも関係してか思想や政策面でアメリカ国民の右傾化が半端ない様相を呈しました。
アメリカのみならず世界情勢を見ても右傾化が進んでいると言われています、特に昨年はヨーロッパ情勢はフランス大統領選挙など目が離せませんでした。
ヨーロッパでも台頭? 保護主義政策の意味や問題点は?
最近では北朝鮮のミサイル問題や核開発など日本の近隣諸国でも安全保障面で危険が迫っていると囁かれていて、日本でも右傾化が進んでいると報じられています。
改めて右傾化とは何なのか?その意味や背景などについて考察していきます。
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右傾化ってどんな現象?
昨今メディアで大きく取り上げられるようになったこの言葉。
字面だけで判断すると「右の方に傾く。」という解釈になりますね。
“右”という言葉が出てきますがもちろん右折するなんて意味じゃないですよwww
政治思想の世界では右とか左というのは、
- 橋下徹さんは右寄りな人だ。
- 小林よしのりさんが右から左に変わった!
なんて使い方をします。
両者とも政治学を学べば必ずと言っていいほど出てくる言葉ですが、改めてその意味と思想や考え方の違いを解説します。
- 右翼:保守思想で憲法改正賛成、国歌斉唱は守るべき、女性天皇反対、外国人参政権反対
- 左翼:革新思想で憲法改正反対、国歌斉唱に消極的、女性天皇賛成、外国人参政権賛成
簡単に説明しますとこうなります。
ネットユーザーは既に右傾化していた?
右傾化とはそれまで左翼思想だった人達が右翼思想に傾いたり、もともと右派だった人がさらに右に偏って極右思想になることを意味します。
実はこの現象は日本でインターネットが普及しだした時期から広がっていたという見方もあります。
いわゆるネット右翼(通称”ネトウヨ“)の誕生こそがネットユーザーの右傾化そのもので、日本でネットが普及しだした当初から2chの掲示板などを筆頭に匿名で右翼的な意見や考えを発信してきました。
特にそれまで既存のメディアがあまり報じなかった歴史の真実については凄く敏感です。
朝日新聞のスクープが発端となった慰安婦問題、旧日本軍が関与したとされる南京事件、東京裁判などは全て捏造か歪曲されているというのが彼らの考えです。
また国防についても「憲法9条は改正すべきで自衛隊は軍隊であると明記すべし!」と言うのが基本的な主張です。
それもこれも今まで日本の戦後教育そのものに問題があるというのが原因です。保守派や右翼の主張では「日本が右傾化してきているというが、もともと左に偏り過ぎていたからバランスが良くなって来ただけだ。」ということみたいです。
なぜ右傾化してきている?
昨今ではネットユーザーのみならず一般の人達の間でも右傾化が進んでいると言われていますが、なぜ右傾化が進んだのでしょうか?
安部総理大臣は一般的にタカ派・保守派の代表的な政治家です。
総理就任以来一貫してそう呼ばれてきていますが、彼を当時支持してきた評論家や有名人の多くが右派でした。
改めてこれまでの政策を見てみますと、国防強化やスパイ防止に関しての法案が目立ちます。2014年の特定秘密保護法案や2015年の安全保障関連法案の改正、さらに昨年のテロ等準備罪など。
特に2015年の安保改正の時は、多くの反対派の人たちがプラカードを掲げて国会議事堂を取り囲んでいた様子がメディアで取り上げられました。
成立してきた法案の中身がいかにも右翼的で保守一辺倒だったことから日本が一気に軍国主義へ突き進むのかと危惧する論調が目立ちました。
近隣諸国が最大の原因?
しかし国際情勢を見てみると日本が右傾化してきている理由もある程度うなづけると思います。
最大の要因は日本の近隣諸国の動向です。
中国・北朝鮮・韓国は日本と最も近い位置にある国ですが、ここ数年は日本の安全保障に悪影響を及ぼす行為も目立ってきました。
中国は尖閣諸島沖に漁船や軍艦を押し寄せ領海侵犯を繰り返し、韓国は竹島を不法占拠しており、さらに北朝鮮は弾道ミサイル発射と核実験を繰り返しています。
こういった動向はどれもこれも日本の国防を脅かす要素です、ニュースで毎日のように放送されているのでそれまで左派で日和見主義的な考えの人達の考えが変わり右傾化するのも無理はありません。
よく「日本が憲法9条改正したら諸外国を脅かしかねない!あまり刺激するべきではない!」と左派の人たちは主張しますが、明らかに順番が逆でしょう。
日本からしたら自国を防衛するためにありとあらゆる手段を講じなければいけないわけで、そのためには集団的自衛権の見直しと安保法改正は恐らく必須です、その前に憲法9条も必要だと思いますが…
さらに昨今ヨーロッパやアメリカで多くなっているテロを未然に防ぐ必要性も高まりました、東京五輪も控えているので尚更です。
こういった背景もあることから、右傾化ではなく「国際標準に戻ってきた。」という見方をする人もいます。
確かに世界広しと言えど憲法で交戦権を認めないと明記している先進国は日本だけですからね(;-_-)
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歴史認識にも変化が?
右傾化は国防に対しての意識の変化だけではありません。
もともと右翼思想だった人達が批判してきた歴史認識にも変化が現れています。
日本の歴史認識で言いますと、GHQによる教育改革で特に歴史認識などで自虐史観を植えつけられたというのが保守派の主張です。
自虐史観というのは呼んで字のごとく自国の歴史認識で悪いイメージを持ち、負の部分をことさらに強調した歴史観のことです。
戦争中に日本軍が中国や韓国、さらに東南アジアなど諸外国で様々な悪行をしていたという事実をこれでもかと言うくらい学校の授業で教える教師は少なからずいたそうで、特に団塊の世代はこういった教育を受けた人が多いみたいです。
昨今では従軍慰安婦問題が記憶に新しいですが、とにかく「日本軍は悪者だった!」というのが左派の人達の多くが主張しています。
ところが実際には欧米が植民地支配していた地域を解放したに過ぎず、現地に行けば当時の日本軍のイメージに対して好意的な印象を持っている人も少なくないようです。
特に2015年に天皇皇后両陛下が訪問されたパラオは世界一の親日国としても有名です。
かつてこの国はドイツに植民地支配されていましたが、日本の委任統治時代にそれまで整備されていなかった学校や病院、道路といったインフラの整備、さらに学校教育も重点的に行って生活水準の向上に努めました。
そういった歴史的背景があってか天皇皇后両陛下が訪問された時は大勢の人から手厚く歓迎されました。あの光景を見ても本当に旧日本軍が悪者だったと一概に決めつけられるでしょうか?
これは台湾の日本統治にも同じことが言えるのですが、いかんせん今の日本の学校の授業で旧日本軍の明るい部分をほとんど教えていないというのは本当に悲しいことです。
とにかく「日本軍は悪かった!」、「日本は謝罪しなければいけない!」「日本は絶対に戦争をしてはいけない!」、こういった自虐史観からは脱却しなければいけないと今の総理大臣も過去に述べたことがありますが、今まさにその時が来ているのでしょうか?
まとめ
以上右傾化について解説してきました、長くなりましたがご覧いただきありがとうございます。
最近の特に若者に多くなった現象ですが、若者の多くが既存メディアに対して不満を多く抱いている証拠でもあります。
それもこれも国際交流をする若者が増えたことや、インターネットのおかげで海外の情報なども仕入れることが容易くなったからでしょう。
どこの国の民も自国に対しての愛国心・郷土愛はあります。
それを否定する国民と言うのは国際的に見てもおかしいとやっと多くの国民が気づき始めたということですね。
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