4月の終わりからゴールデンウィークが到来しますが、長い休みを利用して海外旅行に出かける人は多いと思います。
その日本人の人気の海外旅行先として定番なスポットといえばいくつかありますが中でも香港は距離的にも比較的近いという理由から、毎年100万人近くの日本人が香港を旅行しています。
香港には2005年にできたディズニーランドをはじめ、シンフォニー・オブ・ライツ、ヴィクトリア・ピークなどといった人気スポットや、世界三大夜景の一つで100万ドルの夜景が見られることでも有名です。ここ数年では2500万人以上の外国人が旅行先として訪れるようです。因みに日本の2016年度の外国人の旅行者数は2400万人と推計されたので、それよりも多い数の外国人が訪れるということになります、凄いですね!
これから香港に旅行で訪れてみたいという方も多いと思いますが、一つ気になるのが言語事情ですね。
香港は昔イギリスに植民地にされた経緯があるので英語は通じやすいかもと考える人がいるかもしれませんが、果たして実際どうなのか?考察していきたいと思います。
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香港の政治や歴史などについて解説
香港は中華人民共和国の中で南部に位置する都市で、特別行政区という扱いになっています。
中国本土は共産党による一党独裁の政治体制ではありますが、香港ではイギリスに植民地にされていた歴史があるので政治制度や行政の分野では中国本土と隔離されてきました。
香港がイギリスから返還されたのは1997年のことでしたが、返還後50年間は一定の自治権が認められています、それゆえ香港独自で国際組織や会議に参加することもできます。
学校の地理の授業でも習いますが、これがいわゆる一国二制度というものです。
しかしこの一国二制度も中華人民共和国の憲法によって特別に決められており、また首長や行政長官も選挙で選出されるようになっていますが、最終的に任命するのは中華人民共和国の国務院という組織です。
故に完全な民主政治というわけではありません。
香港の公用語は?
さて香港の公用語について解説しますが、これに関しては「中国語でしょ?」と一言で決めつけるわけにはいきません。
まず何といってもイギリスに占領されていた経緯があるので、この間に英語教育が行われていました。その名残で現在でも英語教育は行われていて人口の約3割近くの人が話せるようです。
約3割ということは、香港で英語が通じるか通じないかと言われたらかなり微妙だということです。ホテルで働いている従業員や観光客が多く訪れる施設で働いている人は大丈夫だと思いますが、例えばタクシーの運転手や一般の通行人に英語で話しかけても、ほぼ通じないと考えたほうがいいですね。
英語は英語でもイギリス英語が主体
日本で普及している英語はアメリカ英語で、学校教育でもアメリカ英語が主体となっています。
しかし香港はイギリスに統治されていたということもあって英語は英語でもイギリス英語が主体と言えます。なんとなく当たり前じゃん、と思いがちですが、ここでまた一つ疑問があります。
イギリス英語とアメリカ英語の違いって具体的にどんなのがあるの?ということです。
基本的な文法に関しては両方とももちろん共通していて問題ないですが、一部の単語の発音やスペルが異なっていたりするので少し混乱するかもしれません。
また同じ日本語でも、イギリス英語とアメリカ英語では以下のように呼称が違っていたりします。
- 休暇:holiday(イギリス)、vacation(アメリカ)
- 高速道路:motorway(イギリス)、highway(アメリカ)
- 荷物:luggage(イギリス)、baggage(アメリカ)
- 紙幣:note(イギリス)、bill(アメリカ)
- サッカー:football(イギリス)、soccer(アメリカ)
- 携帯電話:mobile phone(イギリス)、cell phone(アメリカ)
これ以外にもアメリカ英語とイギリス英語の違いはたくさんありますが、さすがに全て紹介しようとすると説明が長くなるので省略します。
香港に旅行した際にアメリカ英語で話しかけても深刻な支障はないとは思いますが、こういった背景があることだけは頭に入れておいてください。
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中国語と広東語の違いは?
英語はダメでも中国語なら通じるんじゃない?と思う人は多いでしょう。
昨今は中国経済が好調なこともあって、日本に訪れる中国人観光客の数も増加しています。そういった経緯もあって中国語を学ぶ日本人も増えてきたようです。実際家電量販店などは中国人観光客のために中国語が出来る店員、または同じ中国人の店員も少なくありません。
当然香港でも同じ中国に属するので中国語は通じるだろうと思いがちですが、実はそう単純な話ではありません。
香港に昔から在住していた人の多くが隣接する広東省出身の人なので、香港の公用語になっているのは広東語という言語です。
広東語は中国語と違うの?
と疑問に思うかもしれませんが、かなり違う言語のようです。日本語で例えるなら関西弁のような方言の扱いではなく、文法や語順もかなり違っているみたいです。
例2:「ありがとう」は中国語では”シェーシェー”、広東語では”ドーチェ“
広東語というのは文字通り中国の広東省で広く話されている言語です。なぜ広東語が広く使用されているかというと、1930~60年頃に中国での戦争や共産主義体制から逃れるために広東省から来た人々がそのまま香港に在住して、彼らの子孫にそのまま受け継がれているからです。
また中国語の標準語は政府が定めた北京語がベースになっています。これが普通話ということになりますが、現在香港政府は中国語の普通話教育の普及を図っていて、昔に比べれば通じる人は増えてきているようです。
しかし歴史的背景から見ると香港在住の方は本土、特に中国共産党の政策に批判的な人も多いと言われていてかなり温度差があるようです。
大学の授業とかで「私は中国語を完全にマスターしたから香港旅行は完璧だ!」などと自負している方もいるでしょうが、香港で中国語を流暢に話したりすると、この人は大陸(本土)出身者だなと思われて無視される恐れもあるので気をつけましょう。(中国語でもカタコトなら外国人旅行者だと認識されるので大丈夫です。)
まとめ
以上をまとめますと、
- 香港で英語を使用する人の割合は約3割、通じやすいとは言えない
- 香港の英語はイギリス英語が主体
- 香港で最も通じやすい言語は広東語、中国語とはまるで違う
というのが香港の言語事情です。もし香港をこれから旅行したいという方は、イギリス英語を意識すること。また普通の中国語も通じない可能性が高いということだけは念頭におくようにしてください!
最後までご覧いただきありがとうございます、よければ次の記事もどうぞ!
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