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高速増殖炉もんじゅが廃炉へ方針転換! 廃炉にかかる費用は高すぎる?

投稿日:2016年9月22日 更新日:

高速増殖炉もんじゅ

 
1983年に着工し1991年から運転を開始した福井県敦賀市にある高速増殖炉もんじゅについて、政府はついに廃炉に向け最終調整に入ったと報道されました。

 
実はもんじゅは日本で2番目に建設された増殖炉です、一番最初に建設されたのは茨城県にある常陽という増殖炉です。

今回政府がもんじゅを廃炉にする方針を固めた経緯を含めて、高速増殖炉は一体どんなものなのかを解説していきます。




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1.高速増殖炉って何するの?

一般に普及している原子力発電で用いられる原子炉は、軽水炉と呼び、減速材に普通の水を用いる原子炉のことです。

現在は世界の80%以上のシェアを占めています。日本で商用稼働している原子力発電所は全て軽水炉です。

 
これに対し高速増殖炉とは、核分裂連鎖反応を引き起こし、プルトニウムを新たに増殖させる特殊な原子炉のことを言います。

プルトニウムが増殖する仕組みについて簡単に解説しますと、まずプルトニウムが核分裂すると2~3個の中性子が飛び出します。

この中性子が再度プルトニウムにぶつかって次々に核分裂が続く連鎖反応を起こします。このときに発生する熱を利用して発電するのは軽水炉も高速増殖炉も同じですが、軽水炉では飛び出した中性子の内1つだけが水にぶつかってスピードを落としてから次のウランにぶつかる仕組みになっています。

 
一方高速増殖炉では、プルトニウム燃料を包み込むように、燃えないウラン(これをウラン238といいます。)を配置します。

※この燃えないウラン238は、ウランの同位体の一つで通称劣化ウランと呼ばれるものです。

ウラン238は、中性子を吸収してプルトニウム239に変わる性質があります。核分裂で飛び出した中性子の内、一つを連鎖反応に使い、もう一つをウラン238に吸収させるようにすれば、プルトニウムが燃えると同時にウラン238から新しくプルトニウムが生まれるのです。

飛び出す中性子のスピードが速い方が効率よくプルトニウムを増やせますが、水だと中性子の速度を落とす(減速)性質があるので、冷却材としては使えません。

そこで、中性子を減速させず、熱を伝えやすい液体ナトリウムを冷却材に使います。核分裂そのものは、スピードが遅い中性子(熱中性子)の方が効率よく進むので、軽水炉では冷却材兼減速材として水を使います。

つまり高速炉は燃焼効率を低くする代わりに、プルトニウムを増やそうとする原子炉というわけです。

核分裂反応
※東京大学大学院 工学系研究科 原子力国際専攻のページより抜粋 URL:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nem-kasahara/contribution/contribution1.html

 
また高速増殖炉には、ループ型・タンク型・ハイブリッド型の3種類がありますが、もんじゅで採用されている形式はループ型です。

これは原子炉と冷却系の循環ポンプと中間熱交換器をそれぞれ別の容器に納めて、それぞれ配管でつないだものです。

 

2.実用化の目途が立たないのが現状

高速増殖炉の主な仕組みと発電方法を説明してきましたが、技術的な課題が多すぎて現時点で実用化に至った国がないのが現状です。実際にアメリカやフランス、イギリスなど数多くの先進国がこの計画から撤退、中止しています。

 
最大の課題は冷却材として使う金属ナトリウムにあります。ナトリウムは水や酸素に触れると高温になり容易に酸化されます。

1995年にもんじゅで起きた火災事故も、このナトリウムが配管から漏えいしたことにより起きました。非常に管理が難しく、また水と違って不透明なので内部状態の計測も困難なのです。

 
また大量のプルトニウムを加工・保有することにより国際的な懸念や批判が多いです。

つまり核兵器に転用されるウラン235とプルトニウム239が高速増殖炉で大量に生成される可能性も秘めており、国際原子力機関IAEAが監視を強めているのも事実です。もっとも日本の増殖実験に関しては、あくまで発電目的ということで認められてきました。

※ただしもんじゅが停止するまでの1年半の間に、濃縮度96%以上のプルトニウム239が60kg以上生じていたと考えられますが、果たしてどうなのか。

 
こういった多くの問題を抱えている上に、経済的費用も多額にかかるため、政府はやむなく高速増殖炉もんじゅの計画を取りやめ廃炉に向けた調整に入りました。

ただし廃炉には3000億円以上の費用がかかるとのこと。

もんじゅにはこれまで既に1兆円以上の費用が注ぎ込まれています。仮に再稼働させるにも1000億円以上かかるとのことで、進もうが退こうが巨額の費用がかかります。これだけお金もかかる上に放射能の問題もある原子力に、日本のエネルギー政策の未来を任せられるとは思えないですね。

 

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