カレーやシチュー、肉じゃがなど多くの煮込み料理をする人にとって助かる調理器具と言えば圧力鍋ですね!圧力鍋を使って調理をすると普段よりも短時間で調理が済むというメリットがあります。

圧力鍋

短い時間で調理が可能になる理由は結論から言えば、水の沸点が変わることにあります、一体どういうことなのでしょうか?

今回は圧力鍋の仕組みについてわかりやすく解説していきます、圧力鍋を買おうか迷っている方もぜひご覧になって下さい!




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水の沸点と圧力の関係について

水の沸点について

圧力鍋の仕組みを説明する前に、水が沸騰する温度、沸点について説明しておきます。

水は加熱を続けると100℃で沸騰しますが、物理的には水と言う液体から水蒸気と言う気体に変化するときの温度が100℃ということになります。

沸騰している水をそれ以上熱しても100℃を超えることはありません、与えられた熱は水から水蒸気になるために必要な蒸発熱として使われるからです。

 
ただしこの100℃という温度は圧力によって変化します。

水の沸点が100℃というのは標高0mの1気圧という条件の下での話です。この1気圧よりも低い圧力下だと沸点は低くなり、逆に高い圧力下だと沸点は高くなります

水の沸点と圧力の関係
水の沸点と圧力の関係

気圧は標高が高くなれば高くなるほど低くなりますので、例えば富士山の頂上(0.6気圧)で水を加熱し続けると87℃という温度で沸騰することになります。

富士山のみならず標高が高い山で水を加熱すると地上にいる時よりも低い温度で沸騰してしまいます。キャンプなどで高い山に登った時に米を炊くとあまりおいしくないと言われますが、これは米に熱が完全に通る前に水が蒸発してしまい、米の芯が残った状態で炊き上がってしまうというのが原因にあります。




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圧力鍋は高い圧力で水を加熱する!

圧力が低い時条件下だと水の沸点も低くなるということでしたが、逆に言えば圧力が高ければ沸点も高くなります。

この圧力が高い状態を人工的に作り出したのが圧力鍋です。

 
水は沸騰すると水蒸気になって体積が1000倍に膨れ上がります、この膨れ上がった水蒸気を狭い鍋の中に閉じ込めることで内部の圧力が上がるわけです。

おもりを使った圧力鍋の動作原理
おもりを使った圧力鍋の動作原理

この水蒸気を閉じ込めるために、圧力鍋の蒸気の逃がし口にはおもりやスプリングが付いた弁が装着されています。圧力が設定した値より低ければ弁は閉じてしまいますが、設定した値より高くなると蒸気が弁を持ち上げて適度に蒸気を逃がして圧力を下げているのです。

おもりを重くしたりスプリングの強さを切り替えることで調理に合わせた圧力にすることもできます、またほとんどの圧力鍋では作動圧力が60~100kPa(水の沸点が113~120℃)になるように設定されています。

この作動圧力とは1気圧100kPaとの差のことで、作業圧力が60kPaに設定されているのなら加算されて1.6気圧になり、水の沸点は113℃になります。

圧力鍋で光熱費削減!

市販されている圧力鍋はどの鍋を購入しても機能面は同じです。

設定できる圧力にやや差が合ったりもしますが、基本的には高圧力下なら温度も高い状態で調理できるので時間が短縮できるメリットは共通しています。

しかも通常の鍋だと20分かかる料理も圧力を使えば半分以下の時間で調理できるので、光熱費の節約にも繋がります!これを機会に購入を検討されてみてはいかがですか?

 

圧力鍋に向いている料理とは?

圧力鍋は水がないと圧力がかかりません。そのため煮込み系など水分が多い料理でしか調理できないので注意してください。

目安としては通常の鍋で15分以上は煮込まないと美味しくならない料理が圧力鍋の調理に向いていると言えます、具体的には以下に挙げたような料理です。

  • シチュー
  • 肉じゃが
  • ブロック肉
  • おでん
  • カレー
  • 豚汁

 
以上圧力鍋の仕組みと、圧力鍋に向いている料理の紹介でした。

圧力鍋で調理すれば味も変わって美味しくなると思いますが、根本的には自分の料理の腕にかかっていますので、調理器具の性能に頼りすぎないようにしましょう。
 

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