現在絶賛公開中のアニメ映画『君の名は。』が空前の大ヒットとなっています。

興行収入は既に200億円を超えて、スタジオジブリ作品の『千と千尋の神隠し』以来の大ヒットを記録して海外でも高い評価を得ているようです。

 
監督の新海誠さんは今回の映画の大ヒットで早くもポスト宮崎駿とまで評されていますが、新海さんのこれまでの作品も気になるところです。さらに『君の名は。』の元ネタとなったとされる小野小町の和歌や海外での評価・反応などを合わせて紹介していきます。




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新海誠監督について、これまでの作品の紹介

新海誠監督は1973年生まれの43歳、子供の頃からSFや宇宙関係が大好きで、学研の『月世界旅行』、『ホーキング、宇宙を語る』を読んでいたり、アーサー・C・クラーク、アイザック・シモノフといった海外の著名な作家の著作を愛読していたようです。

 
大学卒業後はゲーム会社「日本ファルコム」に入社、そこでRPGのパッケージ制作を担当したり、パソコンゲーム『英雄伝説 ガガーブトリロジー』、『イースⅡ』のオープニングムービーを制作していました。

その一方で2000年には自主制作した『彼女と彼女の猫』というアニメで第12回CGアニメコンテストでグランプリを獲得するなど、本格的にアニメの制作への道を進むことになります。

 
映画デビュー作となったのは2002年公開の『ほしのこえ』、ほとんどの作業をたった一人で行った約25分のフルデジタルアニメーションとなっていて、文化庁メディア芸術祭特別賞や星雲賞など数々の賞を受賞します。

 
それ以後は、『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』などを制作しています。

美しい風景描写や、少年少女の恋愛を繊細に表現した描写などは「新海ワールド」とも評されていて、その独特な世界観に惹かれ多くのファン層(特に若年層)を獲得してきました。

映画『君の名は。』の主人公の声を演じる神木隆之介さんも新海作品のファンであると公言しています。




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映画『君の名は。』の元ネタは日本の古典?

今回の映画『君の名は。』は”男女の入れ替わり”と時空を超えたファンタジー系というのがテーマになっています。制作開始は2014年の5月からの2年間で、キャラクターデザインは田中将賀さん、川村元気さんが新海さんとともに脚本を制作しています。

 
男女の入れ替わりに関しては1950年代の映画『転校生』とネタは被りますが、実は小野小町の和歌と、男児と女児を入れ替える古典『とりかへばや物語』が原点になっているようです。

新海さん曰く、誰もが楽しめるエンターテインメント、とりわけ10代から20代の人向けに制作した作品と位置付けていて、男女の入れ替わりだけでなく、そこに時空を飛び越えたSF要素も織り交ぜることでより多くの観客を惹きつけることに成功しました。

君の名は。の元ネタ

 
また今回の映画で着想を得たという古今和歌集の小野小町の和歌というのは、

思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを

というもので、この和歌を現代語訳すると、

「あの人のことを思いながら眠りについたから、夢に出てきたのだろうか?夢と知っていたら目を覚まさないでいただろうに。」

という意味になります。

 
もう少し詳しく解説すると、好きな人を思い続けていたら夢に出てきてすごく嬉しかったけど、それが夢だと知ってすごくガッカリした、ということです。

恐らくこういう経験をした人は多いと思いますが、これはその気持ちを簡単に表現した和歌ということになります。

夢オチ

 
昔の日本では「相手が自分を思っていると、相手が夢に出てくる」という一種の霊的な、非科学的な神通力で人は結ばれている、そういった考えが一般的だったようです。

 
新海監督自身も子供の頃にSF小説などを多く読んで、そうした神秘的なオーバーテクノロジーの考えが刷り込まれたのでしょう。傍から見たら一種の厨二病的な思想にも取れますが、ちょうど90年代に流行した『新世紀エヴァンゲリオン』もそうした考えで作られて、若年層を中心にヒットしました。

 
余談になりますが、実はこの映画の小説版が公開より2カ月早く発売されていたみたいです、興味のある方はどうぞ!

 

海外での評価や反応は? オスカーは?

日本でも大ヒットしたのを受けて海外でも絶賛公開されています。

 
その内の一つ韓国では記録的なヒットとなっているようで、現在までで観客動員数はスタジオジブリの『ハウルの動く城』の301万人を超えていて、日本映画歴代1位となりました。

 
その他の国でも絶賛公開されていて、特にヨーロッパでいち早く公開されたイギリスのメディアでは、

「『アキラ』や『攻殻機動隊』など日本の名作アニメに続く作品」

「とにかく美しく素晴らしい。SF要素も素晴らしく、新海誠監督は将来的にオスカーを獲る可能性も十分にある。」

と大絶賛されています。

 
しかしアメリカではやや微妙な感じで、とある米エンタメ情報誌によると、アニメーションの美しさは評価しつつも、

「楽しめる斬新さがありながら、日本のアニメ界を率いた宮崎駿と細田守の魔法のように鋭い洞察力や深い人間性にはまだ及んでいない。」と辛口評価です。

やはりアカデミー賞も受賞した宮崎駿さんの存在感が大きすぎるために、それと比較するとどうしても劣ってしまうと感じるのでしょうか?

ただアカデミー賞の前哨戦と言われるロサンゼルス映画批評家協会のアニメ映画賞を受賞していることから、全体的には評価はそれなりに高いようです。宮崎駿さん以来の日本のアニメ映画のオスカー受賞にも期待がかかります。

 

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