今回は、韓国の学歴社会についてのお話をしたいと思います。

日本も学歴社会といわれていますが、お隣の韓国は日本よりもさらに競争が激しいとされています。

韓国の学歴社会

上の画像は韓国の大学入試センター試験の光景です。

何と警官がバイクで受験生を遅刻させないよう乗せて受験会場に送っています。

実は韓国では珍しくない光景で、毎年どこの会場でも見られるそうです。

そして受験結果の合否では家族まで来て、不合格の時には号泣する姿も見られます。

日本では考えにくい光景ですが、韓国ではなぜこれほど大学入試が重視されているのでしょうか、その理由を考察していきます。




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1.韓国の厳しい就職状況、その背景にあるのは?

韓国では日本と同じように大学卒で就職するというのが一般的になってるようですが、驚くべきは86%という数字を誇る大学進学率の高さです。

何とこの数字はフィンランドに次いで世界第2位の数字、日本やアメリカですら50%前後と言われています、因みに昔のデータでは世界1位だったこともあります。


なぜここまで大学進学率が高いのかというと、日本よりも就職の門が狭いとされていて、何と新卒の僅か半分しか就職できないとされています。

残りの半分は非正規か無職になるという厳しい状況です。

結局就職する際には、その学生がどこの教育機関で学んできたかということが重要視されるので、大学受験に失敗したらそもそも土俵に立つことすら許されません。


ではなぜこれほど就職難になったのでしょうか?

その最大の理由は、1990年代後半に起きたアジア通貨危機により韓国経済が不調になって一気に深刻化したことにあります。

韓国ではこの時の危機で、大手銀行の不良債権問題が明るみに出て国際破産するのではないか? とまで言われたほどでしたが、国際通貨基金IMFの監督や援助のもと何とか切り抜けることができました。

しかしその代償として、従来の企業は従業員の削減などといった痛みを伴う改革を迫られ、多くの人が失業したといいます。

アジア通貨危機

2.厳しすぎる大学入試とエリート優先気質

学歴が重視される社会ではありますが、学歴といっても学んだ内容ではなく、学んだ教育機関で全てが決まると言っても過言ではありません。

先ほども説明しましたが、韓国では大卒の就職難が問題になっていると言いましたが、何と一番名門のソウル大学の学生ですら厳しいと言われているほどです。

その証拠に韓国では高学歴者による犯罪が増加しているとのことです。


名門大学ですら就職難といわれていますが、やはり底辺の大学はさらにひどいことには変わりありません。

だから少しでもいい大学に入れるよう受験生は猛勉強せざるを得ないのです。


そして韓国の大学入試センター試験の当日になると、学生が絶対に試験会場に遅れないようにタクシーのみならず、パトカーやバイクまで受験生を乗せて移動させるほどです。

しかも英語のリスニング試験の時には、騒音などで試験の邪魔にならないように、民間航空機の離着陸まで制限されるほどです。

いかに大学受験が大事か、受験生が必死になっているかがわかりますね。


また韓国では昔から知識人はエリートで頭がいいという風潮が根強い傾向があります。

その風潮は李氏朝鮮の時代にまで遡り、当時中国から採用された科挙という試験制度で、公務員を採用していました。

この科挙では試験で点数が高い人ほど上の地位に就くことができたので、身分に関係なく官吏になれるというものでした、これならみんなも必死になるわけです。

この科挙による知識偏重型の採用形式が現在でも根強く残っていると言われ、過酷な大学入試という形に変化したのです。




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3.学歴だけじゃ採用できない? 兵役や語学力も必要!

実は韓国の就活事情でさらにひどいのは、大学卒業だけでは即採用されるわけではないということです。


これはあくまで男性限定ですが、韓国には徴兵の義務があるので兵役をこなさいと、企業側が採用してくれないという現状があります。


また兵役だけでなく高い語学力も必要とのこと。

必要なTOEIC点数は800点以上を課す企業も珍しくありません、逆にいえばこれは韓国の英語力が非常に高いという証でもあるので日本もある意味見習うべき点かもしれません。


また能力とは全く関係ない点で容姿、つまり見た目が重視される傾向があります。

韓国の有名人の多くが整形しているという事実がありますが、実は有名人だけではなく一般人の間でも整形は珍しくないとのことで

特に就活で優良企業に入るために高い金額を出して美形な顔に変えるという人が出ているほどです。


以上の点から、日本とはありえないくらい就活が難しいというのが韓国の現状です。

その中でも特に優秀で、見た目や語学力、さらにコネを持っている人がサムスンやヒュンダイといった一流企業に就職できるようになるのです。

日本もこれほどひどくはないですが、やはり東証一部上場企業の倍率は圧倒的に高いです。

昨今では就活で何十社も面接を受ける学生も目立ってきましたが、これからの時代もしも韓国からの留学生が増えて、韓国人と就活で競争となると、かなり厳しくなりそうですね。