ここ数年、人気漫画の実写化が頻繁に続いてるような感じがしますが、どの作品も評価はイマイチ、または不評が絶えません。


なぜアニメの実写化は失敗するのか?


ルパン三世、北斗の拳、怪物くん、こち亀、ドラゴンボール、テラフォーマーズ、ブリーチ、鋼の錬金術師……

ほかにもいくつか例はありますが、過去に何度も二次元作品が実写化されては酷評、大コケの連続でした。

少年

最近だと進撃の巨人、ジョジョの奇妙な冒険、さらに約束のネバーランドも酷評されてたね

挙げるとけっこうな作品が批判に晒されているのが現状です。

もはやアニメの実写化=黒歴史というレッテルが貼られている昨今の実写化事情ですが、そもそもなぜアニメの実写化は成功例が少ないのでしょうか?

若いギャル

脚本とか配役の問題とかいろいろ騒がれているけど、大丈夫名作もあるよ!

ということで今回はアニメ実写化が失敗する原因と、多少なりとも成功したと言える作品例を紹介していきましょう!




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アニメの実写化がひどいと言われる理由は?

アニメの実写化がされるたびに「やめてくれ!」、「ひどい!」と多くのファンから批判されるわけですが、なぜ批判されやすいのか?

その理由を主に以下の4点に絞って説明していきます。

  • 低予算で制作
  • 監督、脚本がダメ
  • アイドルの起用 演技が下手
  • 世界観のギャップ

1.低予算で制作

邦画はどれもそうですが、ハリウッドに比べ製作費が低いです。

そもそも人気のある漫画やアニメは、アクション系やファンタジー系が主流です。

そういった作品を実写化する場合はどうしてもCGを多用する場面が必要になってきますが、予算の関係上そこが厳しくなってくるのです。

2.監督、脚本がダメ

実績作りのための土台として、その時々に流行っているものを実写化してしまう傾向にあります。

監督や脚本家が碌に原作を知らずに制作している場合もあったりします。ドラゴンボールのハリウッド映画化とかまさにこの典型例でしょう……

3.アイドルの起用 演技が下手など

これはどの実写化作品にも言えますが、とにかくその時世で大人気中の俳優や女優を起用する風潮があるようです。

まだ俳優ならマシですが、これが売れっ子アイドルとか起用しちゃったりするものですから、猶更ひどくなります。

アニメ実写作品は特にアイドルに特化しすぎてると思います。

4.世界観のギャップ

恐らく実写化の失敗で最大の理由となるのがこれです。

大ヒットする理想的なパターンは「原作を忠実に再現し、作品自体も面白い。」ということになるでしょう。

もともと漫画、アニメとして制作されていた作品を、無理矢理実写化するにあたっては、ギャップが生じるのは至極当然なのです。


作品に出てくるキャラクターはあくまでも「物語の中の登場人物」であり、「作家の空想の産物」に過ぎないのです。


つまり「実物」は存在しないのです。


日本のアニメは、世界観やキャラクター設定が非常に細かく作られていて、そのトータルとしての世界観が、”現実社会を超越している”と言えます。

逆に、その頭の中の世界観を多くの人が確立しており、なおかつその世界観が、アニメを見た人ほとんどがほぼ同一のイメージを作り出すことができるので、そのイメージが固定化してしまい、まさに現実世界にそのものが存在するかのような「共有性」を持つことができるのです。

これが、おとぎ話や非現実性の強いアメリカ的なアニメと、日本のアニメの決定的な違いです。

つまり、実際に観ている中に現実の社会(東京やニューヨーク)が存在し、その延長線上にしっかりとしたキャラクターが存在し、その上で、キャラクターが実際の人間のような細かいスペックで動き回るのですから、実際の人間がそこに出演してしまっては、世界観が壊されてしまうということになるのです。

この「世界観が壊される」という感覚こそ、日本のアニメの実写化がほとんど失敗するということの最大の要因ではないかと思われます。

もちろん演技が下手だとか、予算が低いとか、CGをうまく使いこなせていないとかいろいろあると思いますが、日本のアニメは既にアニメ、漫画の中で設定が完成されているので、その世界観をベースに視聴者が実写化を評価してしまいます。


-結論-

やはりCGを多用する二次作品の実写化は、予算的な面で成功させるのが難しい面がありますね。登場人物の性格やイメージも固定化されていますし、そこを払拭させるのは困難かと思われます。


実写化が成功した、比較的うまくいった作品が全くないわけではないので、無難に行くなら、恋愛系や日常系、社会風刺系の漫画アニメの実写化がよいのではないでしょうか?


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アニメ実写化の成功例は?

ここまでさんざん辛いことを書いてきましたが、成功例が全くないわけではありません。

過去の興行収入などを参考に、実写化の成功例も紹介していきます。

※因みに過去最高が漫画原作である『海猿』シリーズですが、こちらはアニメ化ではなく実写化しかされていないので除くとします。

デスノート

アニメ実写化の中でも代表的な成功例として挙げられる作品です。

興行収入は4作品で133億円と、過去のアニメ実写化作品の中では最高です。

藤原竜也と松山ケンイチの演技力、キャラの再現力などはかなり好評でした。

るろうに剣心

3作品で興行収入125億円を記録、主人公の緋村剣心は佐藤健が演じ、武井咲、吉川晃司、蒼井優、藤原竜也、福山雅治という超豪華キャストが勢ぞろい。

まぁこれだけの配役でヒットしなかったら大赤字ですよね。それにしても本当に豪華すぎ!

制作側がこれでもかと言わんばかりに気合を入れたキャストと、宣伝のおかげかもしれません。

銀魂

こちらは2作品で興行収入75億円を記録しています。

主人公の坂田銀時は小栗旬、志村新八は菅田将暉、神楽は橋本環奈という、豪華なキャストで演じられています。

興行収入自体は実写化作品の中では悪くないほうですが、賛否が分かれます。


その最大の原因は脚本だとされています。

役者の演技自体に批判があるわけではありませんが、脚本やストーリーが改変されている部分が多く、これが原作やアニメを知り尽くしたファンにとっては不評でした。


逆に面白いという評判も多いです。原作自体ギャグが多い作風なので、豪華キャスト陣で役者の無駄使いと悪ふざけが受けたという意見も多数です。

いずれにしろ、成功したと言える例ではないでしょうか?

カイジ

こちらは3作品で興行収入59億円を記録しています。

例によって、藤原竜也安定の演技力が好評でしたが、原作にあたる遠藤を女優の天海祐希が演じているのはかなり賛否が分かれました。

また3作品で約60億なので1作で換算すると約20億です、これを成功と言っていいかどうか微妙な感じですね。

キングダム

こちらは1作品で興行収入57億円を記録しています。

主人公の信は山﨑賢人、嬴政は吉沢亮、楊端和は長澤まさみ、河了貂は橋本環奈という、これまた豪華なキャストで演じられています。

ストーリー自体も原作に忠実に沿っていて、何よりキャラの再現度とアクションシーンの完成度が高いです。

進撃の巨人(?)

冒頭でも紹介した、進撃の巨人は興行収入49億円を記録しています。

脚本やストーリーの改変、演技の悪さなど酷評も多いですが、仮にも2作品合計で推定40億円と見積もられていたのを、49億円叩き出したのは成功したといえるでしょう。

番外編:シティーハンター

こちらは邦画ではなく、1993年制作の香港映画です。

しかし原作は日本の人気アニメ「シティーハンター」で、主演はあのジャッキー・チェンが演じています。

40代以上の男性にとって思い出深い作品です、あのハードボイルドな主人公を、香港が誇るアクションスターが見事なまでに演じています。今の若い世代にも見てもらいたい作品です。

まとめ

今回はアニメの実写化がひどい理由と成功例を紹介していきました。

改めて考えますと、やはりアニメの実写化は失敗作の連発ですが、成功例がないわけではありません。

ただし成功した作品のいずれも、役者の演技力、脚本の出来、原作の世界観の忠実性、といった3つの条件をちゃんと揃えています。


まだ実写化されていないワンピース、ナルト、呪術廻戦、鬼滅の刃、Dr.STONEあたりも実写化の動きが来るのでしょうか?

仮にもメガヒット漫画作品なので、実写化されたら批判が多くなるでしょう。日本が誇る二次創作物をこれ以上ケガしてほしくないものです。




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